ウイルスが原因の皮膚疾患には、全身性のもの、例えば麻疹、風疹、水痘、突発性発疹、手足口病、などもあるが、これらは殆どが小児を中心とした全身性感染症です。
主として大人に予兆なく出現し、生活に支障の出るウイルス性疾患の代表は、#単純疱疹(ヘルペス)と#帯状疱疹(ヘルペス)です。
1. 単純ヘルペス
単純疱疹とも呼ばれ、Ⅰ型とⅡ型があり、主にⅠ型はいわゆる口唇単純ヘルペスが主流であり、あり、Ⅱ型は性器ヘルペスが主流です。これが厄介なのは、繰り返しかかったりして、完治しないことです。ヘルペスウイルスが原因であり、初感染では顔面頸部などにやや広範囲の小水疱の集簇ができるころもあります。2回目からは、くちびるに小水疱が、年に2~3回、繰り返しできます。風邪などで体調の悪い時に出現しがちです。古来、「風の華」と俗に呼ばれています。
性器ヘルペスは、男性だと亀頭包皮部に、痛みや痒みを伴う小水疱ができます。女性だと、膣にできるのでわからないことが多いです。妊婦だと、産道感染で乳児が出産後に、全身性に多発性の皮疹が出現し、死亡率もかなり高いので、非常に危険です。
治療は、抗ウイルス性外用剤、非ステロイド外用剤の塗布と、抗ウイルス性剤の内服が定番です。但し、内服は腎機能の悪い患者や透析患者には禁忌です。通常、バルトレックスTM 2錠分25日間までが保険適応ですが、私の経験上、性器ヘルペスでは、同じ量で数か月服用させると完治する場合もあります。その場合は保険診療ではできません。
口角にできた#単純疱疹(ヘルペス)
#性器ヘルペス(男性)。性行為で感染するので、注意!
2.帯状疱疹(ヘルペス)
最近、薬品会社のテレビコマーシャルで、帯状疱疹の予防ワクチンの広告が頻繁に流されているので、この疾患に対する人々の認知度は増大しつつあると思われます。
原因は水痘(水疱瘡)ウイルスで、幼少時に水疱瘡にかかった人が、主として成人(50歳以下でもあり)になって、何らかの免疫低下に乗じて、再び同じウイルスによる発症を生じた場合、帯状疱疹の症状を呈するものです。
全身の片側に神経に沿って、小水疱の集簇が生じ、激しい痛みを伴うのが通常です。とくに、頭部に発生すると寝られないほどの激痛が続き、また顔面では、角膜潰瘍で失明したり、耳の周囲では、ラムゼイ・ハント症候群と言って、顔面神経麻痺を伴うこともあります。
ごくまれに、両側性に発生する、汎発性帯状疱疹もあります。
治療は、抗ウイルス性外用剤、非ステロイド外用剤の塗布と、抗ウイルス性剤の内服が定番です。但し、内服は腎機能の悪い患者や透析患者には禁忌です。量は、バルトレックスTM6錠分3,7日までです。疼痛には消炎鎮痛剤、不眠には睡眠導入剤を併用します。
汎発性では、ステロイドの使用も禁忌とはされず、許容されます。
典型的な体幹の帯状疱疹(上) ハント症候群による顔面神経麻痺(下)
相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
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Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
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