#皮膚科疾患
5.#急性皮膚疾患 6.#慢性皮膚疾患 7.感染性皮膚疾患 8.外傷性皮膚疾患 9.熱傷 10全身病性皮膚疾患 11.#皮膚腫瘍(良性) 12.#皮膚がん・肉腫(悪性) 13.真菌症
今回は、 5.#急性皮膚疾患です。
急性に起こる皮膚疾患感の内、代表的なものを、感染性(後述)を除いて述べます。
急性皮膚疾患の多くは痒いのが特徴です。大別して、これには、接触皮膚炎(かぶれ)、蕁麻疹、薬疹・中毒疹、虫刺症(むしさされ)があります。
① 接触皮膚炎(かぶれ)
赤くて、滅茶苦茶痒いのが一般的な特徴です。原因としては、植物、虫の汁、薬品、金属、などが一般的です。有名なものに、うるしかぶれ(重症の場合もある)、曼殊沙華やイチジクの汁、アオバアリ型ハネカクシの潰した汁(線状皮膚炎)、毛虫皮膚炎(山茶花の葉の裏にいる毛虫、すなわち茶毒蛾の幼虫の毛による、洗濯物に風で着くことがある)、蛾の鱗粉、塗料(ペンキなど)、ピアスやネックレス、洗剤やシャンプー、おむつ、膏薬などがあります。これらが触れたところに赤い皮疹や水疱ができます。
治療法:ステロイド軟膏塗布と抗ヒスタミン剤の内服が基本ですが、部位によってステロイドの強弱の適応が異なりますし、顔面などステロイド禁忌や使用長期禁忌の場合もあるので、必ず皮膚科医に受診してください。重症の場合は、ステロイドの点滴や経口投与も適用されます。
毛虫の毛によるかぶれ(毛虫皮膚炎)
(蛇足コラム)
#鱗翅類である蝶と蛾の違い
蝶:きれい、羽を閉じて止まる、胴体が細い、触覚が一本線、昼に跳ぶ、幼虫が毛虫ではない。
蛾:きたない、羽を開いて止まる、胴体が太い、触覚がケバケバしている、夜に跳ぶ、幼虫が毛虫、毒蛾(鱗粉がかぶれの原因になる)がある
と言うのが一般的な特徴ですね。
所が、蝶の内セセリチョウは胴体も太いし、羽を開いて止まり触覚がケバケバしています。昼に跳びまわる蛾もいますし、きれいな蛾もいます。また蝶にも幼虫が毛虫の場合もあります。
結論:蝶と蛾の区別はない。要するに、気持ちが悪く触りたくなく、時に毒蛾がいるのが
「蛾」であり、その反対が「蝶」と言うことになります。どちらも鱗翅類ですし。
どちらが触れられますか。触れにくい方が蛾です。
これはどうですか?
実はれっきとした蝶(セセリチョウ)です。蛾と区別するとしたら、触れるということです。私は触れます。蝶ですから。
① 蕁麻疹
蕁麻疹の皮疹は、赤く膨隆するのが特徴です。これを、膨疹といいます。激烈なかゆみを伴うのが、一般的です。原因として有名なのが「しめさば」ですが、このように食事のあとアレルギー反応で蕁麻疹が出るというのは、思い当たる食べ物があればのことです。また、寒冷蕁麻疹と言って、お風呂の後など寒気が誘う蕁麻疹もあります。しかし、蕁麻疹の多くは原因が特定できないものです。但し、ストレスが発症や慢性化の原因になることもあります。
治療法は、非ステロイド系の鎮痒剤の塗布、重度の場合はステロイドの静注点滴です。
典型的な蕁麻疹の膨疹。見るからににかゆそうである!
① 薬疹・中毒疹
薬剤や何らかの化学物質の摂取で、全身に発疹がでたり、重度の場合皮膚や粘膜に水泡ができて、呼吸困難や失明もあり得る、命に係わることがある、深刻な皮膚病です。
治療法はステロイドの投与ですが、重度の場合は、救命救急センターのある病院に直ちに搬送すべきです。
薬疹の1例。皮疹はさまざまである。
① 虫刺症(虫刺され)
昆虫や海の生物によるものが殆どです。蚊、ダニ、蚤、南京虫、蟻、蜂、ヤスデ、蜘蛛、サソリ、クラゲ、エイ、などが多いようです。スズメバチやサソリにさされると、アナフィラキシーショックで死に至ることもあります。
治療法は、鎮痒剤とステロイド外用剤の塗布、抗ヒスタミン剤の拝復が基本ですが、重度の賀愛はステロイドの投与、アナフィラキシーショックが疑われる場合は、アドレナリンの投与が必要です。
典型的な虫刺症。
① ジベール薔薇色粃糠疹
突然、躯幹を中心に、軽い痒みのある虫刺症に似た皮疹ができる皮膚疾患です。皮疹はそれぞれが小さいのですが、一つだけ大きなものがあります。これを「べロックの原発疹」と呼びます。原因は不明で何らかのアレルギーと言われていた時期もありますが、最近ではウイルスが関与していると言われています。
しかし、この疾患は左程多くはないようで、大学病院の皮膚科専門医でも誤診したという患者を診察したこともあります。
治療法は、ステロイド軟膏の塗布ですが、自然に治癒する傾向があります。
ジベール薔薇色粃糠疹の皮疹。
次回は、6.#慢性皮膚疾患について述べます。
なお、相談・受診は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
までお願いします。
Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
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