#皮膚がんの殆どは、#基底細胞癌、#有棘細胞癌、#悪性黒色腫の3つであります。これらを、皮膚悪性腫瘍の「松竹梅」に例えることができます。松は、最も悪性度の高い「悪性黒色腫(略して#メラノーマ)」竹は、二番目に悪性の「有棘細胞癌(#扁平上皮癌とも呼ぶ)」、梅は悪性度の最も低い「基底細胞癌(略して#バザリオーマ)」です。その他にも、極めて稀に毛嚢、汗腺、脂腺などの皮膚付属器から発生する癌もあります。一般的に多い皮膚癌である、汗腺から発生するPaget病については、4.として詳述します。また、肉腫では、隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)と悪性線維性組織球腫(MFH)についても、言及します。
1. 悪性黒色腫
最悪の皮膚癌です。メラノサイトから発生し、基底膜の下に癌細胞がこぼれると、血管やリンパ管を介して、全身に転移し、高い確率で死に至ります。
稀に基底膜の上にとどまり、表皮内癌として横に拡大することもあります。爪や足の裏に高頻度でできるのは、日本人の特徴です。
治療は先ず切除ですが、細胞を散らすと、転移するので、確実な拡大切除が重要です。
メラノーマの画像
日本人で好発する、踵のメラノーマ。切除範囲と、土踏まずの皮弁による再建。
下図は、皮膚の構造がよくわかる、シェーマ。基底膜から上は血管もリンパ管もないので。
癌細胞は転移しない
有棘細胞癌、扁平上皮癌、(スピナリオーマ)
皮膚腫瘍の悪性度の、真ん中に位置する皮膚癌です。原因は殆どわかりませんが、キズアトや瘢痕潰瘍からの発生が時にあります。後者は、瘢痕癌とも呼ばれます。皮膚以外にできるものは、扁平上皮癌と言われますが、癌としては同じものです。
治療法は、拡大切除と、後療法として化学療法があります。
鼻の有棘細胞癌。その切除範囲と、おでこからの皮弁で、鼻を再建して例。
左:デザイン。 右:有棘細胞癌の広範囲切除。下:完成。
有棘細胞癌は、有棘層から発生するので、基底膜を超えずに横方向に拡大する「表皮内癌」にとどまる場合があります。これを、#ボーエン病と呼びます。ヒ素が原因となる事が多いとされます。転移はないので、辺縁5mm離して、真皮層を含めて摘除します。
ボーエン病の典型例。
基底細胞癌(バザリオーマ)
皮膚癌の中でも、最も悪性度は低く、完全に切除すれば再発も転移も見られません。基底創から発生するので、直ぐに基底膜を超える癌ですが、何故か転移はまれですので、辺縁5mmっで、完全に切除すれば大丈夫です。
左鼻翼部のバザリオーマ。Flap-in-flap法(青木律氏考案)による、切除再建例。
基底細胞癌(バザリオーマ)
皮膚癌の中でも、最も悪性度は低く、完全に切除すれば再発も転移も見られません。基底創から発生するので、直ぐに基底膜を超える癌ですが、何故か転移はまれですので、辺縁5mmっで、完全に切除すれば大丈夫です。
左鼻翼部のバザリオーマ。Flap-in-flap法(青木律氏考案)による、切除再建例。
Paget病
パジェット病は、汗腺から発生し、陰部や腋窩、乳輪周囲にできる、表皮内癌ですが、適切に切除しないと、癌細胞が基底膜を超えて「パジェット癌」に発展し、所属リンパ節などへの転移の可能性が出ます。
陰部パジェット病の典型例。切除範囲を示す。切除創には、必ず分層植皮を行う。
隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)
全身どこにでもでき、ケロイドに類似します、ケロイドの好発部位でなく、部分的生検で診断します。辺縁から3cm離して、皮下脂肪層まで含めて切除しないと、再発を繰り返したり深部まで浸潤し、治療に難渋します。転移は殆ど見られません。
下腿にできた、DFSPと、その切除範囲のマーキング。
悪性線維性組織球腫(MFH)
前述のDFSPと同様に、全身にできて不適切な切除で再発を繰り返す。
頬部にできたMFH、その切除範囲のマーキング。
相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
までお願いします。
Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
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