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執筆者の写真HIKO HYAKUSOKU

真菌性皮膚疾患

#足白癬(#水虫)足爪白癬。

#頑癬(#いんきん・たむし

#体部白癬

#皮膚カンジダ

この4つが、皮膚真菌症の殆どを占めています。


白癬菌の顕微鏡検査による描出。丸いのは胞子、線状なのは菌糸です。

KOHやズームTMに浸軟させて顕微鏡で見る。この検査が陽性であれば、白癬の確定ができます。出来るだけ、医師自身が同定して、確定診断すべきです。



1.       足白癬、足爪白癬

いわゆる「水虫」で、足の指(趾)の間が「びちゃびちゃ」になって猛烈に痒い趾間型白癬、足裏に水疱を形成したり、それが潰れて角質が肥厚する角化型白癬などがあります。また、爪が罹患して、爪の白濁や肥厚を来す爪白癬があります。いずれも、抗真菌外用剤(爪は液)がありますが、特に爪は難治性なので、抗真菌薬の内服を年余にかけて行います。ただし、この内服剤は肝機能障害を起こしやすいので、定期的な肝機能のチェックが必須です。

なお、手にも同様な病変が起こり得ますが、足に比べて極めて稀です。

         

典型的な足白癬


典型的な爪白癬


皮膚科医の本音


質問1:水虫は本当に治るのか?

限局した水疱や角化であれば、3か月外用剤を塗り続ければ完治します。ただ、広範囲に白癬が付いていると、全体を完治させは困難と言うのが本音です。それでも、外用剤を塗布し続けることで、少なくとも症状は軽減されます。また、足指の間にガーゼをはさんだり、指の独立した靴下を履くように勧めます。内服剤はより有効ですが、1年以上内服し続ける必要と肝機能障害誘発の可能性から、そして保険適用の問題からもお勧めできません。


質問2:水虫はどうやって人にうつるのか?

靴下や靴の共有からうつることがあります。洗面所の足ふきからうつることも稀にあるので、専用の足ふきタオルを使用することを勧めます。風呂やシャワー室は水やお湯が頻繁に流れるので、まずうつることはありません。


質問3:水虫から蜂窩織炎になって、死ぬことはあるのか?

実は、水虫から菌が侵入して、とくに下肢の蜂窩織炎を誘発することは結構あります。蜂窩織炎が進行して、死に至る危険性は、人食いバクテリアの場合や、糖尿病や透析患者のような、免疫の弱い場合、治療が間に合わなかった場合などは、ないとは言えません。CRPの緊急チェックが必要です。


質問4:爪水虫は治療しても治らないと言われるが本当か?

確かに、爪白癬は治療が困難な疾患です。とくに、爪の肥厚や混濁があるほど、放っておいた爪水虫は、完治は難しいでしょう。外用薬と内服薬の(保険では併用が認められない場合がある)1年以上投与で完治する場合もあります。抜爪は無意味ですが、爪は伸ばさない方がいいでしょう。

また、レーザー照射で爪に侵入した白癬菌を殺す治療も有効とされますが、保険適用はありせん。


1.       頑癬

いわゆる「いんきんたむし」で、そのほとんどは陰部を中心にできます。腋窩部や体幹部、あるいは顔面「たむし」にもできますが、陰部以外のものは便宜上「体部白癬」として、説明します。

陰部は性別にかかわらず、じめじめしているところで、カビがつきやすいのです。

陰部にできる、痒みのある皮膚疾患には、湿疹類や接触皮膚炎(かぶれ)、さらにはカンジダ皮膚炎もありますから、これらの鑑別が治療効果を左右するので重要です。


臨床所見での鑑別を列記しますと、


①    白癬による頑癬

通常痒みは軽度~中等度で、長期に亘り拡大し、大腿部や下腹部などに堤防のような明瞭な境界があります。


➁湿疹類

痒みは中等度で、境界は明瞭ではありません。とくに、男性の「陰嚢湿疹」が夏に多発します。


➂接触皮膚炎

乳児および高齢者の紙おむつによるかぶれが多く、痒みは中等度~高度です。


④カンジダ皮膚炎

いつも湿潤しており、痒みは軽度~中等度です。高齢者のおむつかぶれに併発することが一般的です。女性の膣や口唇・舌などの粘膜に罹患することもあります。顕微鏡検査では、白癬菌より胞子が多いのが特徴です。


典型的な陰部白癬(いんきんたむし)。大腿部の境界明瞭な皮疹が特徴である。



3.体部白癬

腋窩部は陰部と同じく、湿潤傾向にあるため、白癬菌が蔓延りやすいです。また、体幹や頭部顔面など、湿疹と誤診されて、ステロイド外用剤を漫然と塗布していると、白癬の部位が拡大することが多いです。これらも、湿疹類とは異なり、境界が明瞭で顕微鏡検査で白癬菌が同定されます。



典型的な体部白癬。湿疹と誤診されて長期間ステロイド軟膏を、塗布していた。



皮膚科医の忠告


忠告1 ステロイドの禁忌について

ステロイド外用剤の禁忌には、ヘルペス、疣贅のウイルス性疾患、白癬やカンジダ皮膚炎、蜂窩織炎、せつ腫などの感染性疾患。蕁麻疹は保険適応がない。また、禁忌ではないが、顔面は感染性の皮脂腺が多く、ステロイド皮膚炎にもなりやすいので、どうしても必要な時は、弱い(濃度の低い)ステロイド外用剤を数日間に限定し塗付させる。その後は非ステロイド外用剤(フェナゾール軟膏TMなど)に変更する。さらに、ステロイド外用剤は,抗炎症効果もあるので、感染症のキズや膿瘍には禁忌だが、例えばキズのない炎症周囲の発赤腫脹のある部分に塗布するのは決して禁忌ではない。熱傷創の感染のない場合は有効であると思われる。


忠告2 白癬菌、カンジダ菌の同定について

本来皮膚科医は、顕微鏡でカビ類の同定は自ら行うべきである。患部の鱗屑や水疱蓋、爪であれば皮膚と爪甲の間など、標本を摂取して、確認すべきである。



1.       カンジダ皮膚炎

多くは、高齢者の体部にできた皮膚疾患を、湿疹と診断してステロイド外用剤を長期に亘って塗布しており、湿潤府にカンジダが蔓延ったものである。

まれに、女性の手の指間に発生することがあり、指間カンジダ症と呼ばれる。


カンジダ皮膚炎の典型例。


ご相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門

までお願いします。

Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com


#足白癬(#水虫)#頑癬(#いんきん・たむし)#体部白癬 #皮膚カンジダ



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